2021年10月6日
先行展示の様子
本日より来週から始まります「枕草子にみる悠久の轍 安冨洋貴 山名しおり二人展」の先行展示をして頂いています。
大丸京都店6階アートサロンESPACE KYOTOのすぐ横にありますショーケースにて各1点ずつ展示されています。
お近くにお越しの際にご覧頂けましたら幸いです。
またART百花繚乱 大丸・松坂屋アートブログ(大丸京都店アートインフォメーション)でも紹介して頂いております。以下リンク先からご覧いただけます。
ART百花繚乱 大丸・松坂屋アートブログ(大丸京都店アートインフォメーション)
少し私の作品の説明をさせて頂きます。今回の展示では作品に「枕草子」の一文を添えて展示するスタイルを予定しています。
それぞれが自分の作品から、また枕草子の一文からイメージを重ね合わせる形での展示スタイルを試みます。
この先行展示展示作品タイトルは「うつろい」です。
対応している枕草子の一文としては
【49段 猫は】
猫は、上の限り黒くて、腹いと白き。
(現代語訳)猫は、背中の全体が黒くて、お腹が白いのが良い
から着想を得ています。清少納言は猫は背中全体が黒くてお腹は白いのが良いわ!と言っていますね。それに対して私は成程、彼女は今でいうなら白黒のはちわれ猫ちゃんでしょうか?そういう感じが好きだったのかなぁ・・・と思い巡らしました。それも可愛いけれど私はお腹も黒い、黒猫が好きだなと思い、黒猫にしています。
というか・・・生後1か月くらいに保護した猫と3年前から暮らしており、彼がモデルなのです。私がリアルに感じている身近な猫。清少納言が語ってくれている猫。言葉と作品両方から様々に解釈してくださるような作品展に出来ればと思っております。猫好きの方であれば、それぞれお好きなイメージがあるのではないのでしょうか?(ちなみに以前飼っていた猫は7年ほど前に天寿を全うして亡くなりましたが茶トラでした。彼も可愛かったです。)
そしてバックに描いている「ほおづき」についても
【219段大きにてよきもの】
家。餌袋(えぶくろ)。法師。くだもの。牛。松の木。硯の墨。男の目の細きは、女びたり。また、金椀(かなまり)のやうならむも恐ろし。火桶。酸漿(ほおづき)。山吹の花。桜の花びら。
とあり、清少納言が「ほおづき」は大きい方が良いと語ってくれている文章を思い出し、確かに大きい方が良いなぁと思いました。
夏の前頃ほおづきの葉をスケッチし夏の終わりに大きなほおづきを見つけ、それを黒猫の背景に沿えました。